塗装業者を紹介するサイトの問題点_旧

数年前からインターネットで塗装業者を検索した際、このような広告が目立つようになりました。

  • 外壁塗装が45万円安くなりました。
  • 外壁の塗り替えで70万円得をしました!
  • ○○(サイト名)を利用してよかったです。

魅力的な文言の数々です。

外壁塗装を検討された方であれば似たような広告を一度は目にした事があるかもしれません。

広告を出しているところは決まってIT企業が運営している塗装業者紹介サイトです。

一般の方がそこに申し込みをすると近隣の塗装業者を数社紹介してくれ一番安い業者、または気に入った業者を選べる仕組みになっています。

『どこの塗装業者に依頼していいか分からない』という方は、このような塗装業者紹介サイトを利用したくなるのではないでしょうか。

ただし、このような塗装業者紹介サイトは問題が多いことが分かっています。

一見して消費者の味方であろう塗装業者の紹介サイト。何が問題になっているのでしょうか。

1.紹介料、成約手数料の暴利

一般の方が利用する分には無料ですが、塗装業者が紹介サイト運営会社に紹介料・成約手数料を払う仕組みになっています。
その紹介料、成約手数料がたいへん高額でそれを支払う塗装業者の経営を圧迫しているという現状があります。

【1軒塗装工事をした場合に支払う手数料】

紹介手数料 紹介1件につき5,000円〜10,000円
成約手数料 工事金額の10%〜20%

紹介サイトを利用した一般の方が塗装業者と仮に100万円で契約した場合

紹介手数料として10,000円(1件あたりの紹介料)
成約手数料として150,000円(工事金額の15%として)

合計160,000円

この合計金額を塗装業者が紹介サイトへ支払う仕組みとなっているわけです。

一般のお客様は100万円を払っているつもりですが、塗装業者は16万円をバックマージンとして紹介サイトに払わなくてはならず、実際には塗装業者は84万円で請け負ってる事になります。そうなると工事品質に問題が出てくることは誰の目にもあきらかでしょう。

塗装業者紹介サイトが3社を紹介した場合、どこが決まっても問題ありません。その3社の中で決まれば入ってくる収入は同じだからです。

商行為を否定しているわけではありません。儲け主義、それはそれでいいと思います。ただその一方で登録している施工業者が工事をすればするほど赤字になっていくという現実があるのです。

2.工事を請け負ってるのに赤字

塗装業者紹介サイトを経由して工事を請け負うと施工業者は赤字になりやすいです。工事をしているのになぜ赤字になるのかと言いますと、理由は2点あります。

ひとつ目は一件につき支払う紹介料にあります。塗装業者紹介サイトに依頼する方は広告に釣られて申し込む方が多いので、本気で塗り替えを考えている人ばかりではありません。中には『今後のためにも一度調べておこうか。』程度の方もいます。それはそれでいいのですが、そのような場合でも塗装業者は紹介サイトに紹介料を支払わなければなりません。

ふたつ目は、広告自体が安い業者を推奨していますので、依頼者の希望は一番安い業者となります。そのため塗装会社が受注するためには他社より金額を下へ、さらに下へ、としなければ受注しにくい状況があります。

あたりまえの事ですが、会社を永続して経営するには利益の確保は重要なことです。安定した経営をしなければ数年後に不具合が起きた時に施工業者が存続している確証はありません。

3.紹介サイトの保証はナシ

塗装業者紹介サイトの場合、保証はもちろん付きません。

外壁に何か不具合が起きたとしてもノータッチになります。ご存知かもしれませんが、外壁塗装の不具合イコール手抜きだとは限りません。下地の状況、塗料との相性でも起きる可能性があるわけです。そんなときに責任をもって対応するシステムこそ業者をご紹介する側の責任だと考えています。

では、塗装業者紹介サイトと私ども塗装店の案内所サイトではどう違うのか?
わかりやすく表にしてみました。

塗装の料金比較表

※注1 工事完成保証・・・工事期間中に施工店が万が一倒産した場合、
塗装店の案内所が責任をもって工事を完成させる保証。

※注2 例)100万円の場合10万円~20万円が運営者に。

塗装業者を紹介するサイトの問題点

いかがでしたでしょうか。本来であればこのように塗装業界の内情をお話するのはいいことではありません。それでも書き留めておきたかったのは同業の施工会社が塗装業者紹介サイトに登録して結果、経営に苦しんでいるのを見聞きしているからです。

だからと言って、そのような塗装業者紹介サイトに依存している施工会社にも問題がないわけではありません。そのような所を頼っていれば経営は苦しくなるのは当然です。

これをお読みの一般の方々もこのような事がある事を、ご理解していただき地元の優良塗装店さんをお探しください。見つからない場合は塗装店の案内所にお声がけください。

最後になりましたが、全ての塗装業者紹介サイトが悪ではありません。業界をよくしていこうという気概で運営しているIT業者さんもいます。成熟期に入っている建築塗装業の中でほとんどの施工会社が苦手とする営業の部分。ここを手助けしているIT業者さんには感謝しかありません。一部にはこのような業者さんが要ることをお伝えしておきます。

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