塗装前の現場調査、塗装店が見極める10のポイントお教えします!

  • 「最高の品質」と「強靭な塗膜」で建物を守ります 会社名:JPM 佐世保店
    野嵜 賢一
    所在地:長崎県佐世保市指方町2725-2
お見積り作成に当たり重要となるのが現地調査です。

この現地調査をしっかり行う事により、建物の劣化状況が把握できますので劣化状況により
お見積り金額が左右される重要なポイントとなります。
この現地調査をしっかり行っているかいないかを見極めるのもお客様が業者を選ぶポイント
と言っても過言ではありません。

1.構造を見極める

外壁がサイディングボードの場合、建物の構造が通気工法か直貼り工法かを見極めるのが重要ポイントとなります。
直貼り工法は内部結露等で塗膜の剥離、膨れを起こすケースがありますので、塗装には不向きな構造であります。
(※100%不具合が起こるとは限りません)そして2000年より『住宅品質確保促進法』(品確法)により
通気工法が標準仕様になりました。

2.塗装工事が初めてか、2回目以上か

初めての塗装工事か以前1回でも塗装工事をしたことがあるという事でも施工方法も変わってきます。
特に以前の塗装工事でいい加減な施工をしていると下地処理に難儀します。特に多く見られるのが屋根瓦です。
塗膜の剥離などは多く見られ、その他にもコロニアル瓦での縁切り無しの施工など多く見られます。

3.外壁の調査

建物の天敵である雨水や紫外線で、外壁が反ったり自然劣化でクラックが入ったりする場合も少なくはありません。

反った外壁は新たに釘やビスを打ち込むことで元に戻る場合もあります。
また、日差しがよく当たる南面や西面の劣化具合、北面の苔等の着き方も十分に調査する必要があります。
また、サイディングの種類によっては特殊コーティングが施してある場合があり、塗装出来ない外壁材もありますので
確実な調査が必要です。

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北面の苔やカビの繁殖 外壁のクラック
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チョーキング現象 外壁の反り

4.屋根の調査

コロニアル瓦、セメント瓦、モニエル瓦、板金屋根と様々な種類の屋根がありますがそれぞれ
施工方法も違ってきます。コロニアル瓦では、棟板金の錆や釘の浮き、瓦の縁切りの有無、セメント瓦、
モニエル瓦では漆喰の劣化や二次防水であるルーフィングの劣化、板金屋根は錆の進行などが重要ポイントです。
建物の中で一番劣化が早いのが、雨や紫外線や日光の影響がある屋根です。

高圧洗浄の前後で塗膜の落ち方も違ってきます。高圧洗浄も2回行い、塗装も最低下塗り2回上塗り2回を推奨します。

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高圧洗浄前 高圧洗浄後
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モルタルの隙間 ルーフィングの劣化
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釘の浮き 錆の進行

5.木部の調査

一般的に破風板、鼻隠し等に木部が使われている場合は剥離している事が多く見られます。
この部位には造膜性の塗料が使われることが多くまた塗膜が硬いので木部の伸縮に追従出来ずに塗膜が割れたり、
剥離したりします。
どんなに良い塗料を使用しても剥離が起こる可能性はありますので、近年はガルバリウム鋼鈑といった鉄板で
覆う工法も多く見られます。

また、間違った塗料で塗装している場合は全面剥離してからの塗装しなくてはなりません。
現在は、木部は使用せずボード類や塩ビ鋼鈑などが使用されることが多くなってきています。

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塗膜の全面剥離 電気工具での剥離後
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木部破風板施工前 木部破風板をガルバニウム鋼鈑での施工

6.鉄部の調査

雨戸、換気扇フード、水切り板金など錆がどのくらい進行しているのか、塗装で再生出来るのか
また交換しなくてはいけないのかもしっかり見なくてはなりません。
特に雨戸には点錆が多く見られケースがあります。

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錆の進行 錆の進行

7.コーキングの調査

雨漏りの原因となるコーキングの劣化。
主となるのが外壁の継ぎ目のジョイント部分と窓等のサッシ廻りです。
最低膜厚5mm以上を保ち施工しないといけません。ここで重要なのが2面接着です。
3面接着では建物の動きに追従出来ず劣化が早まります。

建物を雨漏りから守る重要な工事個所となりますので、しっかりとした診断が必要となります。

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コーキングの劣化 コーキングの劣化

8.雨樋の調査

屋根の先端部分にある軒樋(横樋)は紫外線で変形している場合もあります。
また、自然劣化で勾配も取れなくなっている場合もありますので、塗装だけでいいのか、
勾配を取り直すのか、交換をしないといけないのかも調査では必要となります。
また、受け金具が鉄の場合は錆が発生している場合もありますので要注意です。

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軒樋の劣化 受け金具の錆

9.ベランダの調査

建物の構造の次に重要ともいえるベランダの調査。雨漏りが多い個所でもあります。
ベランダの壁と外壁との取り合い、ベランダ笠木と外壁の取り合い、スリット等の開口部の
コーキングの劣化、ベランダ床の防水の劣化や端末処理など雨漏りに直結する個所が沢山あります。
ベランダの調査をしっかりする業者こそ優良施工店ともいわれます。

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開口部 笠木板金の継ぎ目
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笠木と外壁の取り合い FRP防水の端末未処理

10.その他

立地条件でも工事金額が変わってきます。
たとえば、駐車場の有無、工事車両が建物の前まで入るのか、仮設足場の敷地の問題など
諸経費が掛かる場合もありますので、後々追加工事費という金額を請求されない様にしっかりとした
現地調査や建物診断を行える業者の選定は重要となります。