雨漏りを制する者は塗装を制す -vol.9

雨漏りを制する者は塗装を制す

雨漏りを制する者は塗装を制す

避けては通れない部

塗装工事に長く携わると避けては通れないところがある。雨漏り修繕がその一つである。塗装に従事し建物をきれいに、そして耐久性を上げる仕事をしていながら、雨漏り修繕から逃げることができるのだろうか?お客様が望む塗装工事とは、そもそもが建物の保護であり、雨漏りや腐食のリスクを無くしたいのだ。
実際はどうだろうか?雨漏り修理をしていると、建てた工務店がお手上げ、修理に来た塗装店がいるが再発、何度も修理をしては再発を繰り返す。困り果てたお客様はとうとう家電量販店やホームセンターといった大手パック商品へ向かいだす。
大きな会社なら、大丈夫なのでは、とすがるような気持ちの人も少なくない。担当する会社はどこでも良い。が雨漏りを直せる会社でなければ絶対に直せない。建物の雨仕舞は新築工程の中で各業者の範囲の中で行うが、自分より手前の工程業種は当然責任を果たしていることが前提だ。
各工程の中で関わる業種の中で少しの不備が次の工程に引き継がれ、リカバリーされることなく、繰り返され仕上がった建物が難易度の高い雨漏りだ。我々は雨漏りを診るときに次のことを思う。板金の納まりはどうで、防水はどうで、と当然のように責任として作業されているだろう工程を想像しながら雨漏りに挑むのだ。
そして疑わしい部位を修理し、再発しないことを祈り、雨を待ち、お客様から連絡が入る。再発しました。と雨漏り修理を行う塗装店はこの苦い思いを幾度となく繰り返している。そしていつしか雨漏りは自分の仕事ではないとどこか逃げている。
私も苦い思いを経験しているのでよくわかる。

不備の積み重なりが問題に

思い返すと、各工程での少しの不備が積み重なることが問題なのです。これは各工程で少しの責任が放棄されてしまった建物になるわけであり、雨漏り修理から逃げることは放棄された建物への責任を改めて放棄することでは、と考えている。
塗装に関わる皆様にお伝えしたいことは、完成後の建物を長期維持していくために日頃の我々の活動、塗装がある以上、塗装に従事する者はやはり雨漏りからは逃げられないことと考える。
お客様が塗装に望まれることをつかむと答えは見える。塗装と雨漏り。塗装店は全国に数知れず存在しているが、雨漏り修理店はどれだけ存在するか? それを考えただけで雨漏り修理が容易でないことはわかるが、塗装という仕事を成長させるなら、雨漏り修理を必ず行えるということではないだろうか?
雨漏り修理を制するものは塗装を制するもの。塗装店が地域に、お客様に責任として求められることはやはり建物を守ることだろう。

佐々木拓朗 取締役Sasaki Takuro

【日本塗装名人社とは】全国の塗装専門店や塗装職人が集まり2014年に結成したグループ。
将来の塗装職人の育成、良質な塗り替え施工の指導、会員の塗り替えに対する施工保証等を行う。