シーリングは先打ち?後打ち?あなたの家ならどうしますか?

  • 千葉県の塗装職人 会社名:JPM 本部
    佐々木 恒治
    所在地: 千葉県館山市正木1103-1

窯業サイディングの外壁のつなぎ目にはゴム状のものが詰まっていて、
このゴム状のものを一般的に「シーリング」または「コーキング」と呼びます。

シーリング

外壁を塗り替える前に、このゴム状のものを新しく打ち替えるのですが
その工程をペンキを塗り替える前に行うのが先打ち工法。
塗り替えた後に行うのが後打ち工法と一般的には言います。
では、先打ち工法、後打ち工法のメリット・デメリットを説明いたしましょう。

先打ちのメリット

  • シーリング材の上に塗装することで、塗膜が紫外線による劣化を防いでくれる。
  • シーリングを打ち替える際に外壁を汚しても構わないのでコストが抑えられる。

先打ちのデメリット

  • シーリング材の上に塗装した場合、シーリング材はゴム状のもので柔らかいものでできており
    塗膜のほうが硬いため、シーリング材よりも硬い塗膜にひび割れがおきる。

後打ちのメリット

  • シーリング材の上には塗膜がないので、ひび割れをおこす心配がない。
    (一部の塗料メーカーを除いて、塗料メーカーはシーリングの後打ちを推奨しています)

後打ちのデメリット

  • シーリング材は紫外線に弱いため、塗膜で保護されていないシーリング材は
    塗膜で保護されたシーリング材よりも劣化が早い。

と、まぁこんな事が業者間の定説になっていますが、
先に打とうが後に打とうが、しっかりとした施工を行っておくことが 肝心なわけでありまして、
そんなのどっちでもいいじゃねえかと思いますよね。
今回はシーリング先打ち工法のひび割れ対処法を模型を使って説明いたします。

シーリング
折り曲げると塗膜がひび割れて下地のシーリングが見えてしまいます。

シーリング

塗料メーカーさんは、このように塗膜が割れてしまうことを嫌います。
だから、「シーリングは塗り替えた後から打って下さい」とおっしゃいます。
当たり前と言えば当たり前ですが・・・
では、塗料と同じ色のシーリングを使った場合はどうでしょう?

シーリング
折り曲げて下地のシーリングが見えていますが、さほど目立たないですよね。

シーリング

このように外壁色と近似色のシーリングを使用するか
または少し濃いめの色のシーリングを使用することにより
塗膜がひび割れて下のシーリングが見えてしまったとしても、
さほど目立たせなくすることができます。

実際の建物の目地は模型のように極端に割れることはあり得ませんが
下の画像の様にうっすらとひび割れが発生してしまいます。
遠目に見た分には解りませんがね。
これを問題視すること自体がナンセンス極まりないと思いますが・・

だって、外壁の目地の部分は外壁面積の数パーセントしかないのよね

シーリング
塗替えから2年経過の外壁

これがいやなら、シーリング後打ち工法をお勧めいたします。
本来のシーリングの目的は雨水を建物の中に入れないこと。
つまり、防水機能が目的なわけで、そのためには板間の目地の
サイデイングの切口にシーリングがしっかりと密着していなければいけない訳であります。

施工の際には、そこのところを重要視した方が良いのではないでしょうか。
目地表面の塗膜の割れさえ気にしなければ、シーリングの本来の機能を長期間にわたり
維持できるのが先打ち工法の最大のメリットではないでしょうか。