塗装工事で最も大切と言っても、過言では無い!?下地処理とは?

  • 熊本県の塗装職人 会社名:ふじ美塗装
    遠山 学
    所在地:熊本県熊本市龍田8-14-7
塗装工事で最も大切と言っても、過言では無い!下地処理

手抜き工事、悪徳業者・・・お施主様が一番避けたい塗装業者だと思います。
外壁塗装工事のトラブル防止!悪徳塗装業者の見分け方で業者の見分け方はご紹介しましたが、今回は手抜き工事と言われてしまう部分である下地処理についてご紹介していきたいと思います。
何故?下地処理と手抜き工事が結びついてしまうのかは、最後までお読み頂ければご理解頂けるかと思います。

塗装工事の下地処理とは?

下地処理とは、塗装工程の中では下記図の(2)高圧洗浄(3)下地補修までの事を指します。

塗装の施工工程

軽くおさらいすると・・

高圧洗浄=ホコリや汚れを洗い流し、粉化した塗料を落とす

下地補修=ヒビ割れにシーリングを充填、剥がれた塗料の除去、サビ止めの塗布などで下地を調整し塗料の密着を高める

この2つの工程は上塗りをする前に塗装面を整える重要な作業ですが、この工程が塗料の耐久年数や仕上がりの美観性に大きく影響してきます。
厳密に言えば、塗料の耐久年数は、環境にも左右されますし、美観性も上塗りが適正に塗られなければ損なってしまいます。

しかし、この下地処理の工程が正しく行われなければ、環境以前に塗膜の剥がれや劣化を招き、上塗りの塗料がキレイに密着出来ずに美観は得る事は出来ません。

手抜き工事と言われるゆえんは、下地処理が表面に出ない部分の作業であり、表面に大きく影響する作業だからなのです。

汚れを洗って落とす高圧洗浄

塗装面をキレイにする作業ですが、塗装面だけでなく外壁全体に高圧洗浄を行います。

高圧洗浄は下地処理の工程では一番に行います。屋根・外壁のどちらの塗装でも共通です。
高圧水発生装置で加圧された高圧水をノズルから噴射した時の衝撃力を利用し、ホコリ、汚れ、コケ、粉化した塗料を洗い流し、落としていきます。

塗装面をキレイにする作業ですが、塗装面だけでなく外壁全体に高圧洗浄を行います。
屋根も一緒に塗装する場合は屋根から下へと汚れを落としていきます。
作業に要する時間は半日から1日程度です。
高圧洗浄の後は乾燥が必要になり、最低でも24時間、下地の状況や気候条件によっては48時間の乾燥時間をとります。

よくお客様から雨の日に高圧洗浄を行うと驚かれるのですが、実は雨の日は最適な高圧洗浄日和でもあります。高圧洗浄では、汚れや剥がれた塗膜(粉化した塗料)、コケを削り落とすような作業になりますので、飛び散ったお水にはそれらの汚れが含まれてしまいます。
そして、飛び散った後に、その汚れが別の場所にはりついてしまう事があります。

そんな事にならないように、周りにお水と汚れの飛散防止でメッシュシートをしているのですが、念の為に、高圧洗浄の当日はご近所様へも汚れては困る洗濯物を干さないようにお願いをしています。
雨の日でしたら、洗濯物が外に出ていなので、心配することなく施工が出来るので高圧洗浄日和なのです。

高圧洗浄

上記写真は高圧洗浄の前と後の写真ですが、高圧洗浄だけでこれだけ汚れが落ちます。

塗装に適するように処理を行う下地補修(下地調整)

高圧洗浄の次に行うのが、下地補修です。
下地調整とも言われていますが、塗装を行う際の下処理になります。
塗装する面の材質や状態により工程は変わります。

【モルタル壁の場合】
モルタル壁は和風の家に多く使われています。
セメント、砂を混ぜて水で練り作ったセメントモルタルを使った壁材の事を指します。
施工性は高く、強度もあり防火性能がありますが、亀裂が発生しやすいのが特徴です。

■付着物の除去
汚れや塗膜の浮き、付着物を除去します。

■クラック(ヒビ割れ)
ヒビ割れた箇所をシーリング剤やパテで補強します。

■欠損
欠けた部分は樹脂モルタル等で補修します。

シーリングが劣化しやすい等が特徴です。

【サイディング壁】
サイディング壁は現在の主流の壁材になります。
種類は豊富で、窯業系、金属系、木質系、樹脂系等があります。
それぞれにメリット、デメリットがございますが、それは次の機会にご紹介してみたいと思います。

工場生産の為、品質が安定している、扱いやすく施工しやすい、バリエーションが豊富な反面、熱を吸収しやすい、ボードの継ぎ目で使用するシーリングが劣化しやすい等が特徴です。

■クラック(ヒビ割れ)
ヒビ割れた箇所にパテで補修

■目地
サイディングの継ぎ目の目地のシーリング打ち替え

サイディング壁

【鉄部分】
トタン屋根や鉄階段等の鉄部分の汚れやサビ、劣化した塗膜を削り落とします。
この作業の事をケレンと言います。劣化具合により削り方は変えます。
表面の汚れや、サビ、塗膜を落とし、塗装する面をキレイにするだけでなく、表面に塗料が密着しやすくなるように傷をつける目粗しという作業も含まれています。
又、ケレンは木部でも行います。

■劣化が進行している場合
サビや劣化した塗膜は除去し、鋼面を露出させる。
但し、活膜は残す。

■劣化が軽い場合
粉化物、付着物を落とし活膜は残す。

ケレンでは電動工具と手工具を状態に合わせて使い分けます。
例)サンダーケレン(電動工具)
ワイヤーブラシ(手工具)
サンドペーパー(手工具)
スクレーパー(手工具)

ケレン作業

厄介な事に上から塗料を塗ってしまうと、ケレンを行ったのか、その後にサビ止めを塗ったのかも含め、作業の有無が分からなくなります。
しかし、塗膜で隠しても、時間が経つとサビがしっかりと表に浮いてきますので、後に作業の有無がハッキリと分かります。

悲しい現実ですが、お施主様がサビに気がついて施工業者に連絡をすると、もう業者が無くなってしまっているというトラブルがあるようです。

そんなトラブルに遭わない為にも、見積もり時にケレン作業の代金が入っているのかどうかを確認しておく事と、高圧洗浄後にすぐに塗料を塗っていないかどうかを確認しておく事で予防が出来ます。

【木部の場合】
木材の種類、部位、状態、仕上げ方法により工程は異なります。

■汚れ、付着物の撤去
汚れ、付着物の種類、状況により異なりますが、洗浄、研磨、漂白等を組み合わせて行います。

■物にぶつけて出来た傷やへこみの修正
浅い場合はサンドペーパー等で研磨します。
深い場合はパテ等を使用します。

■研磨
全面を手作業や電動工具等を用いて研磨します。

■目止め(めどめ)
目止めとは塗料が下地に過度に吸い込まれないように、もしくは上手く乗るように表面処理をする事です。

【屋根の場合】
屋根材は種類や状態により、塗装か、葺き替えになります。
塗装の場合は高圧洗浄で汚れを落とし、屋根材や木部や鉄部分に劣化があれば補修を行います。
作業の順番は状態により前後します。

屋根での作業にあえて何か1つを付け加えるなら、落とし物拾いがあります。

屋根での作業にあえて何か1つを付け加えるなら、落とし物拾いがあります。
屋根で落とし物という表現に若干違和感もありますが・・

作業でたまに出会うのは、歯です。乳歯が抜けた時に、下の歯なら屋根上に投げる習慣で(続いて生えてくる永久歯をその方向にちゃんと生えてくれるようにとのおまじない的な意味合いがあります)投げた乳歯なのですが、微笑ましい光景でありながらもそれを落とさなければイケないジレンマに陥ってしまいます。

屋根の落とし物の定番は、バトミントンの羽、スーパーボール。
たまに遭遇するのは、何処かの猫ちゃんか、鳥の仕業だと思いますが、何か小動物の骨(食べかす?)です。

そして、一番怖かったのは蛇のオモチャです。
鳩やカラス、ネズミ避けに設置されたようですが、知らないで屋根に登って出会うと冷や汗が出てしまいます。
余談ですが、もし、屋根に蛇のオモチャを設置している時は、事前に業者にお伝え頂けると有り難いです。

少し話がそれてしまいましたが、ひとえに下地補修(調整)と言っても、素材や状態により、たくさんの工法があります。
どの作業も丁寧に行わなければ、上塗り時に塗料が均一に付着せず美観性を損ねたり、数年で塗膜の剥がれやヒビ割れを
引き起こしてしまいます。

下地処理は絶対に手抜きしてはいけない

上塗り塗料の性能を最大限に活かす為には、この工程は必要不可欠なのです。
そして、この工程は、職人の経験や技術力、進化する素材や塗料の事を常に把握していなければ適した作業が行なえないのも事実です。

ですので、塗装職人はこの作業を何よりも重要視します。
丁寧に下地処理をする事で塗料の耐用年数を伸ばす事は出来ませんが、塗料の性能を最大限に活かす事が出来ます。