外壁メンテナンスの鍵を握る!シーリング(コーキング)どれだけ重要性があるかお答えします。

  • 兵庫県の塗装職人 会社名:株式会社 ヒラヤマ
    平山 忠司
    所在地:兵庫県 姫路市 書写2656-16
外壁メンテナンスの鍵を握る!シーリング(コーキング)どれだけ重要性があるかお答えします。

外壁の塗り替えを検討中のお客様からよく、

「この外壁は、どの位もつの?」
「どんな塗料がいいのか?」
と相談されることがあります。

適切な塗料選びはもちろん重要ですよね!
しかし…

ご存じですか?

失敗しない外壁塗装の重要な鍵。それは、“下地の処理”にあるのです。

例えば、グラグラの土台の上に最高の技術で建てた、立派な建物を想像してみましょう。
残念ながら、おそらく安心して住むことはできませんね。
外壁塗装においては、この土台が“下地処理”に当たります。

今回は、その中でも特に大切な工程のひとつ、”シーリング“(コーキング)とも言います)の基礎知識をテーマにお伝えしたいと思います。

シーリング(コーキング)?
名前は聞いたことがあるけど・・・という程度だったり、もしかしたらまったく知らない方もいらっしゃるかもしれませんね。

外壁に継ぎ目(目地)があるのをご覧になったことはないでしょうか。
そこに注入されているゴム状の物質を、シーリング(コーキング)といいます。
目立たない存在ですが、実は住宅を守り長持ちさせるうえで、非常に重要な役割を果たしています。

シーリング(コーキング)は塗料と違い、メーカーの推奨する塗装基準がありません。施工する業者の技術や経験、モラルに左右される可能性が高い箇所です。
少しでもシーリング(コーキング)ことを知っておくと、信頼のおける業者を選びたい時の強い味方となってくれることでしょう。

(1)シーリング(コーキング)の必要な外壁、使わない外壁

あなたのマイホームはどんな外壁材をお使いでしょうか。
外壁材によって、シーリング(コーキング)の必要なものとそうでないものがあります。
戸建て住宅によく使われる外壁材の種類と特徴、シーリング(コーキング)の有無を簡単にご紹介します。

サイディング

サイディング

工場で生産したサイディングボードを、現場で張って施工する外壁です。
耐久性に優れ、デザインのバリエーションが非常に多彩。施工も容易であることから人気が高く、現在の戸建て住宅では9割近いシェアを占めています。

※パネルの間の目地やサッシ廻りに、シーリング(コーキング)を使用します。

ALC

ALC

ALCとは、軽量気泡コンクリートを使ったパネル状の外壁材です。
コンクリート内部に無数の気泡が存在するため軽いのが大きな特長。強度、耐火性、防音性にも優れています。

※パネルの間の目地やサッシ廻りに、シーリング(コーキング)を使用します。

モルタル外壁

モルタル外壁

昔から使われており、現在も根強い人気のある外壁です。
モルタルとは、セメントに砂を混ぜて水で練ったもの。スタッコやリシン、左官など仕上げの違いによってさまざまな風合いを出すことができます。

※住宅メーカーによってはサッシ廻りや縦目地(伸縮目地)に使用されますが、使用されない場合が大半です。

タイル

タイル

種類が多彩で、高級感あふれる風合いが魅力の外壁です。総タイルではなく、玄関周りなどに部分使いしているお宅もよく見かけますね。
タイルは変色や劣化が少なく(割れやヒビの可能性はありますが…)、基本的にはメンテナンスフリーであると言われています。

※住宅メーカーによってはサッシ廻りや縦目地に使用されますが、意匠性を重視されるため住宅では使用されない場合が大半です。

ご紹介した4種類の外壁のうち、目地にシーリング(コーキング)を使用するのはサイディングとALCです。
現在の戸建て住宅の外壁材として、この2つがシェアの大部分を占めています。
つまり、ほとんどのお宅は定期的に目地をメンテナンスする必要があるということになります。

そして、モルタルやタイルの外壁ならシーリング(コーキング)は一切不要!というわけではありません。
サッシ周りをはじめ、シーリング(コーキング)による防水の必要な箇所は、家の内外に数多く存在しています。
“シーリング(コーキング)と無縁の家”は存在しないのですね。

(2)シーリング(コーキング)の役割は“防水”

住宅にとって雨水の侵入は、建物の構造を劣化させ寿命を縮める大敵です。

それに対して、外壁の隙間を塞いで防水するのがシーリング(コーキング)の役目。
適切に施工及びメンテナンスされたシーリング(コーキング)なら、大切なマイホームをしっかり守ってくれます。

(3)シーリング(コーキング)の寿命は何年くらい?

一般的には、外壁において最初に劣化していくのがシーリング(コーキング)部分です。

どれくらいで劣化するのか?
…その答えは一概には言えません。雨風の受け方や紫外線量、地面の揺れなどの、立地環境によって大きく異なるからです。

あくまで目安としてですが、シーリング(コーキング)部分が痩せてひび割れてくるのが、早ければ5~7年でしょうか。一般的には10年前後といわれています。

(4)劣化したシーリング(コーキング)はどうなるのか?

シーリング(コーキング)が劣化した時の状態を知っておくと、ある程度のセルフチェックができます。
代表的な症状をご紹介しますので、あなたのマイホームはまだ大丈夫なのかを確認してみてくださいね。

CHECK(1) “隙間”ができていませんか?(剥離)

“隙間”ができていませんか?(剥離

シーリング(コーキング)材が外壁の動きについていけず、目地に密着しなくなった状態です。隙間ができるということは、当然ながら防水機能に影響を及ぼします。
最初の施工時に下地材(プライマー)を塗り忘れたり、塗りムラがある場合も起こりやすくなります。

CHECK(2)“ひび割れ”はありませんか?(破断)

 
“ひび割れ”はありませんか?(破断)

シーリング(コーキング)が経年によって劣化し、痩せて裂け目が入ってきています。
そろそろ打ち替えのタイミングかと思います。

CHECK(3)下地やバックアップ材は見えていませんか?

下地やバックアップ材は見えていませんか?

破断したシーリング(コーキング)をそのままにしておくと、もちろんですが劣化は進行します。
こちらはシーリング(コーキング)材(白い部分)の裂け目からグレーの下地が見えていますね。

さらに劣化すると、その奥にあるバックアップ材(正確には、青いテープ)が露出します。もしも青いテープが見えていたら、それがバックアップ材です。

さらに劣化すると、その奥にあるバックアップ材(正確には、青いテープ)が露出します。もしも青いテープが見えていたら、それがバックアップ材です。

(5)劣化したシーリング(コーキング)がもたらす、マイホームのダメージ

劣化したシーリング(コーキング)がもたらす、マイホームのダメージ

劣化をそのまま放置するとどうなるのか?と言いますと…
防水機能を果たせなくなった目地から、いつかは雨水が入り込み、建物の構造にダメージが及びます。

具体的には雨漏り、腐食ですね。進行するほど、マイホーム自体の強度に影響を与えます。
腐食した木材はシロアリの好む環境ですから、被害を受けるリスクも高まります。

(6)“増し打ち”と”打ち替え”の違いと使い分け

“増し打ち”と”打ち替え”は、シーリング(コーキング)のメンテナンス方法のことです。
簡単にご説明しましょう。

打ち替え

→古いシーリング(コーキング)を取り除き、新しいシーリング(コーキング)を注入する方法。

増し打ち

→古いシーリング(コーキング)の上から、新しいシーリング(コーキング)材を注入する方法。

古くなったシーリング(コーキング)材を取り除くか、そのまま施工するかの違いです。
コスト的には、増し打ちよりも打ち替えの方が多少アップします。

シーリング(コーキング)材を取り除く 打ち替え”の方が、時間も手間もかかる。より丁寧な作業なのでは?
というイメージをお持ちになるかもしれませんね。

しかし実は、どちらのやり方が一概に良いというわけではありません。
外壁の目地、サッシ周りなどの場所によって、適した方法は異なります。シーリング(コーキング)の傷み具合によっても判断は変わってきます。
さまざまな条件を加味し、プロの目で最適な方法を選んでいるとお考えください。

良くない例としては、打ち替えが必要な場合でも増し打ちで済ませ、コストダウンを図るケースが考えられますね。
あまりにも安すぎる見積りの場合は、内容をご確認されると良いと思います。

(7)シーリング(コーキング)の施工手順(打ち替え)

ざっくりとシーリング(コーキング)の施工手順を知っておくと、より理解が深まります。
今回は”打ち替え”の場合でご説明させていただきます。

1.まずはカッターなどを使って、古いシーリング(コーキング)材を丁寧に取り除きます。

カッターなどを使って、古いシーリング(コーキング)材を丁寧に取り除きます。

2.下塗り材であるプライマーを塗布し、密着性を高めます。

下塗り材であるプライマーを塗布し、密着性を高めます。

3.新しいシーリング(コーキング)材をたっぷりと注入します。

新しいシーリング(コーキング)材をたっぷりと注入します。

4.ヘラで綺麗にならして仕上げます。

ヘラで綺麗にならして仕上げます。

多めにシーリング(コーキング)材を注入しておくことによって、次回のメンテナンスまでの持ちが良くなります。

5.シーリング(コーキング)の完成です。美しい仕上がりですね。

シーリング(コーキング)の完成です。美しい仕上がりですね

(8)シーリング(コーキング)の先打ち、後打ち

簡単に言いますと、シーリング(コーキング)の施工を外壁塗装前にすることを ”先打ち”、後に行うのを ”後打ち” といいます。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご紹介しておきます。

先打ち

【メリット】
シーリング(コーキング)の上に塗装することによって、雨風や紫外線が直接当たりません。
比較的劣化もしにくくなります。
【デメリット】
塗膜の表面に割れが生じやすくなります。
シーリング(コーキング)よりも塗膜の方が若干固いために起こります。

後打ち

【メリット】
塗装表面の割れが起こりにくく、綺麗な状態をキープできます。
【デメリット】
直接、紫外線・風雨が当たるので、シーリング(コーキング)の傷みは早くなります。

一般的にリフォームでは先打ちがほとんどです。
新築時はボードを工場で塗装しており、後打ちになることが多いですね。
塗料メーカーでは後打ちを推奨する場合が多いのですが、これはシーリング(コーキング)材と塗料との相性を懸念しての対応かと思われます。
経験やテストによって適切な組合せを選択できる業者ならば、先打ちで問題はありません。

(9)黒い汚れ…ブリード現象と、その対策

⑨	黒い汚れ…ブリード現象と、その対策

新築やメンテナンス後、まだ日が浅いのにもかかわらず、シーリング(コーキング)が黒く汚れてくる場合があります。
これは ”ブリード現象” と呼ばれる症状です。
機能的には問題ありませんが、外観上の見栄えは悪くなります。

ブリード現象は、シーリング(コーキング)材に含まれる”可塑材(かそざい)”という成分が、表面に現れるのが原因です。可塑剤のべたつきが汚れを吸着し、目地が汚くなってきます。
汚れた目地の上にそのまま再塗装しても、時間が経てばまた黒ずみが発生します。

対策としましては、
・塗装前に ”可塑移行防止剤” を塗る。
・シーリング(コーキング)材の種類はノンブリードタイプ材を使用する。

などが再発防止に効果的です。

まとめ

いかがでしたか?
マイホームの外壁を、雨水の侵入によるダメージから守っているシーリング(コーキング)。たかが目地・・・と、おろそかに出来ませんね。

住まいのメンテナンスで最も重要なのは、住宅の構造や環境に適したシーリング(コーキング)材を正しく使うこと。
シーリング(コーキング)工事の基本であり、大切なマイホームを長持ちさせる秘訣です。
信頼できる業者に相談し適切なメンテナンスを行うことで、家の寿命は10年も20年も違ってきますよ。

このコラムでお伝えした情報が、あなたのお住まいをいつまでも快適に保つご参考になれば幸いです。

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