外壁、いつ塗り替える?あなたの”見極め”がマイホーム寿命を大きく変える

  • 千葉県の塗装職人 店舗名:JPM 成田店
    熊井 一仁
    所在地:千葉県成田市郷部1350 花澤ビル2F
外壁、いつ塗り替える?あなたの”見極め”がマイホーム寿命を大きく変える

“人生で一番大きな買い物” と聞いて、真っ先に頭に浮かぶものと言えば?

やはり、No.1は “マイホーム” ではないでしょうか。

大多数の方が、数千万円もの高額なローンを背負って購入する住まい。
いつまでも快適に住みたいですし、美しくあってほしいですね。
しかし残念ながら…
普通なら10年前後。早ければ5年経たずに、気がかりが生まれます。

マイホームの “老化”です。

・うっすらと黒い外壁の汚れ。
・褪せたようなホコリっぽいベランダ。
・窓や換気扇の下には、伸びる雨垂れの跡。

外壁には、ひび割れを見つけるかもしれません。雨漏りの発生にショックを受ける場合もあるでしょう。
メンテナンスを考える時期がやってきたのかもしれません。
プロの診断を受けるのもオススメですが、まずはご自身の目で観察してみましょう。

家の状態やメンテナンスの必要度がわかる、チェック基準をお伝えします。

マイホームの寿命を決めるのはあなたです

マイホームの寿命を決めるのはあなたです
家の傷みや劣化。どの程度で気になるかは個人差がありますが…
“なんだか古くなった?” とあなたが感じる、その時。
それが、最初の分かれ道です。

嫌だな、気になるな〜と思いつつ、そのまま放置してしまうのか。
計画を立てて、適切に手入れしながら大切に住むのか。
選ぶ道によって、マイホームの寿命には大きな ”差” が現れます。

ベストなメンテナンス時期はいつなのか?

ベストなメンテナンス時期はいつなのか?
家の傷みには、建てた時の仕様はもちろん、立地環境などのさまざまな条件が大きく影響します。
そのため、ひとくくりにメンテナンスの時期がいつ、とは言えませんが…
目安としては、約10年前後とお考えください。

もっと早くメンテナンスが必要になるケースもありますが、傷みの早い場合は、お客様ご自身がお気づきになりやすいと思います。
気になった時は、信頼できる専門業者を探して診断を受けてみましょう。

続いては、よくある劣化パターンを外壁の種類別にピックアップ。
実際の例をご紹介しながら、傷みの進行度を解説します。
劣化レベルは★の数で表しています。
«最小★1つ~最大★5つ» 多いほどメンテナンスの必要性が高い状態です。

あなたのマイホームに当てはまる症状がないか?チェックしながらお読みくださいね。

サイディング外壁の劣化

サイディング外壁の劣化
サイディング外壁に起こりやすい症状は、以下の3パターンです。

・汚れ
・ひび割れ(クラック)
・シーリング(ヒビ割れ・痩せ・剥がれ)の傷み

汚れ・症例(1)

いわゆる”都市型”の汚れです。
いわゆる”都市型”の汚れです。
排気ガスをはじめとする、油分を含む原因物質が雨水と混じり合って付着しています。
 ↓

汚れ自体は気になりますが、塗膜や構造へのダメージは無く、塗り替えの必要もまだありません。

汚れ・症例(2)

藻や苔が付着しています。
藻や苔が付着しています。
苔が発生するということは、サイディングや塗膜の劣化が始まっていると考えられます。
 ↓
★★★
苔は年月の経過によって、さらに広がります。塗り替えを視野に入れて検討していきましょう。

汚れ・症例(3)

サイディングの内側に湿気や結露などの水分が溜まったあげく、ボロボロに腐食しています。
サイディングの内側に湿気や結露などの水分が溜まったあげく、ボロボロに腐食しています。
 ↓
★★★★
この状態ですと、塗り替えではなく”サイディングの張り替え”が必要になります。

外壁材内部に水が回ってから長期間が経過し、建物の構造も劣化していると思われます。
ここまで進行する前に、早めに専門業者に相談してくださいね。
その方がメンテナンス費用もずっと安く済みます。

ひび割れ・症例(1)

ヘアークラック
ヘアークラックと言われる細いひび割れです。
 ↓
★★
表面だけの割れなので、すぐに問題が起こることはありません。
徐々に広がったり深くなっていないか、気にかけて経過を観察してください。

ひび割れ・症例(2)

約0.2〜0.3mm以上の幅のクラックです。
約0.2〜0.3mm以上の幅のクラックです。
 ↓
★★★★
名刺が挟まるくらいになると、サイディングの裏まで割れている可能性が高いです。
補修を検討する必要のある段階です。

ひび割れ・症例(3)

サッシ上部にできたクラックです。
サッシ上部にできたクラックです。
 ↓
★★★★★
ひび割れの大きさよりも、場所が問題です。
サッシ付近は雨漏りにつながりやすい箇所。雨漏りが発生すると家自体がダメージを受けてしまいます。
補修と塗り替えが必要です。

シーリング・症例(1)

紫外線の影響によって、シーリングの表面にシワができ始めています。
紫外線の影響によって、シーリングの表面にシワができ始めています。
 ↓

まだ経年劣化の初期であり、問題はありません。

シーリング・症例(2)

シーリングのゴムが断裂し、大きな裂け目が見て取れます。
シーリングのゴムが断裂し、大きな裂け目が見て取れます。
 ↓
★★★
すぐにではありませんが、雨水の侵入する可能性が出てきます。
そろそろメンテナンスの検討を始めると良いですね。

シーリング・症例(3)

変色、痩せ縮み、ひび割れ。劣化が進んでシーリングとしての機能を失った状態です。
変色、痩せ縮み、ひび割れ。劣化が進んでシーリングとしての機能を失った状態です。
 ↓
★★★★
このまま放置し続けるとサイディングに雨水が入り込み、外壁材や構造にまでダメージが及びます。
早めに打ち替えることをオススメします。

モルタル外壁の劣化

モルタルの凸凹に汚れの粒子が入り込み、雨垂れも目立ってきています。
モルタル外壁に起こりやすい症状は、以下の3パターンです。

・汚れ
・ひび割れ(クラック)
・チョーキング

汚れ・症例(1)

モルタルの凸凹に汚れの粒子が入り込み、雨垂れも目立ってきています。
モルタルの凸凹に汚れの粒子が入り込み、雨垂れも目立ってきています。
 ↓

ちょっと汚れが…と思われるかもしれませんが、まだまだ大丈夫です。
塗り替えの必要はありません。

汚れ・症例(2)

全体的に汚れが広がって、だいぶ美観の損なわれている状態です。
全体的に汚れが広がって、だいぶ美観の損なわれている状態です。
 ↓
★★
見た目には気になりますが、構造へのダメージは無い場合がほとんどです。
家の寿命に関して言えば、メンテナンスをお勧めするタイミングではありません。

汚れ・症例(3)

かなりの汚れが付着し、経年による劣化も感じさせます。
かなりの汚れが付着し、経年による劣化も感じさせます。
 ↓
★★★★
そろそろ塗膜の劣化や、防水機能の低下が心配となるレベルです。
専門業者にチェックを依頼すると良いですね。

ひび割れ・症例(1)

細いクラックが縦方向に発生しています。
細いクラックが縦方向に発生しています。
 ↓
★★
モルタルは比較的クラックの入りやすい外壁であるとお考えください。
この程度でしたら経過観察で良いでしょう。

ひび割れ・症例(2)

大きなクラックが横方向に走っています。
大きなクラックが横方向に走っています。
 ↓
★★★★
横のクラックは要注意です。
場所にもよるのですが、24時間の雨によって2Lもの雨水が内部に入り込むケースもあります。
専門業者に相談し、補修と再塗装を検討しましょう。

ひび割れ・症例(3)

サッシの上に発生したクラックです。
サッシの上に発生したクラックです。
 ↓
★★★★★
サッシ周りの劣化は雨漏りの発生につながりやすく、リスクの高い場所です。
名刺が挟まる0.3mmくらいの幅になると、特に早めの塗り替えが必要です。

チョーキング・症例(1)

外壁を触っても、手に何も付きません。
外壁を触っても、手に何も付きません。
 ↓

塗膜が劣化すると”風化”が始まり、触った時に粉が付くようになります。
この場合は塗膜がしっかり機能しており、安心です。

チョーキング・症例(2)

外壁を触ると、白っぽい粉が手に付いています。
外壁を触ると、白っぽい粉が手に付いています。
 ↓
★★★
塗膜が風化して防水機能が落ちてきているサインです。
雨水にも弱くなりつつありますから、塗り替えを検討し始めましょう。

チョーキング・症例(3)

外壁を触ると、べったりと手に粉が付着する状態です。
外壁を触ると、べったりと手に粉が付着する状態です。
 ↓
★★★★★
チョーキングの激しい場合は、塗膜が防水機能を果たしていないと考えられます。
塗り替えのタイミングですね。

ALC外壁の劣化

ALC外壁に起こりやすい症状は、以下の3パターンです。
ALC外壁に起こりやすい症状は、以下の3パターンです。

・ひび割れ(クラック)
・シーリング(コーキング)の傷み
・塗膜の膨れ

ひび割れ・症例(1)

なんらかの衝撃によって、ALCが一部欠けてしまっています。
なんらかの衝撃によって、ALCが一部欠けてしまっています。
 ↓

ちょっとした割れ、欠けならば簡単な補修で大丈夫です。
もちろん塗り替えの必要もありません。

ひび割れ・症例(2)

地震や立地条件などの影響で、数カ所の割れが発生しています。
地震や立地条件などの影響で、数カ所の割れが発生しています。
 ↓
★★★
割れた部分から目地へと雨水が入り込んでいる心配があります。
塗り替えを検討し始める時期ですね。

ひび割れ・症例(3)

放置していたひび割れから雨水が染み込み、周辺のALCが腐食。
放置していたひび割れから雨水が染み込み、周辺のALCが腐食。
ご覧のように剥がれ落ちてしまっています。
 ↓
★★★★★
このままにしておくと、雨水がさらに内部に浸透。
雨漏りの発生や建物自体のダメージにつながります。
早急なメンテナンスをお勧めします。

シーリング・症例(1)

シーリングの表面に、細かいひびのようなものが見られます。
シーリングの表面に、細かいひびのようなものが見られます。
 ↓
★★
すぐに問題が出る状態ではありませんが、表面の塗膜が劣化し始めています。
ALCは比較的水分に弱いですから、しっかりと経過観察してください。
横目地の劣化が進行してきた時は、特に注意が必要です。

シーリング・症例(2)

横目地に亀裂が入っています。
横目地に亀裂が入っています。
 ↓
★★★★
これくらいならまだ大丈夫?と思われがちですが、実は雨水が内部に侵入している場合も多いです。
このまま見過ごすと、雨漏りやALCが膨張して剥がれるなどの症状になりかねません。
専門業者に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

シーリング・症例(3)

縦目地ですが、亀裂が大きく深い状態です、
縦目地ですが、亀裂が大きく深い状態です。
 ↓
★★★★★
この写真のケースでは、すでに室内の床に雨漏りが始まっていました。
構造に水分が回っているため、進行するほどにメンテナンス費用が大きくなります。
すぐに専門業者の診断を受け、対策を施す必要があります。

塗膜の膨れ・症例(1)

一見目立たないものの、よく見ると小さな膨れが数箇所あります。
一見目立たないものの、よく見ると小さな膨れが数箇所あります。
 ↓
★★★
膨れが発生しているということは、ALC内部に水分が存在していると予測されます。
専門業者への相談と、メンテナンスの検討をお勧めします。

塗膜の膨れ・症例(2)

明らかに見て気づくレベルの、大きな膨らみです。
明らかに見て気づくレベルの、大きな膨らみです。
 ↓
★★★★
ALC内部の水分によって引き起こされている可能性が大きいです。
プロによる原因の診断を受け、それを踏まえてメンテナンスしてください。
ただ上から再塗装しただけでは、再発するケースが多いです。

塗膜の膨れ・症例(3)

塗膜が膨らみ下地から浮き上がって、大きな剥がれへと進行してしまった状態です。
塗膜が膨らみ下地から浮き上がって、大きな剥がれへと進行してしまった状態です。
 ↓
★★★★★
数カ所に及ぶ雨水の侵入、外壁材の腐食が疑われます。
原因の究明と、一刻も早いメンテナンスをしたいところです。

まとめ

今回は、サイディング、モルタル、ALCの3種類に絞り、起こりやすい劣化の症状やレベルをご覧いただきました。

いかがでしょう。
あなたのマイホームに、気になる症状はありませんでしたか?
簡単におさらいしておきます。

サイディング

■ 汚れ
苔や藻が発生したら要検討。カビは業者に相談しましょう。

■ ひび割れ
ヘアークラックは様子見でOK、名刺が挟まる幅なら要相談。
サッシ上部のクラックは、雨漏りリスク”大”です。

■ シーリング
表面のシワは大丈夫。亀裂が入ったり縮んできたら打ち替えましょう。

モルタル

■ 汚れ
汚れが目立っていても、塗膜は意外と大丈夫です。
10年前後が経過し全体的に汚れてきたら、メンテナンス時期です。

■ ひび割れ
細かなひび割れは様子見でOK。
横方向やサッシ上部の割れは相談、メンテナンスしましょう。

■ チョーキング
表面のシワは大丈夫。亀裂が入ったり縮んできたら打ち替えましょう。

ALC

■ ひび割れ
小さな欠けは部分補修で対応。大きな割れが発生したら塗り替えを検討しましょう。
ALCは水分に弱いので、長く放置は避けてください。

■ シーリング
目地の縦横に亀裂が入ってきたら、メンテナンスを相談しましょう。
特に横目地は雨水が入りやすいのでお早めに。

■ 塗膜の膨れ
膨れイコール、内部に水分が侵入している可能性が高いです。
早めの相談、メンテナンスがオススメです。

大切なマイホームを長持ちさせる最大のキーパーソン。それは他ならぬあなたです!
大切なマイホームを長持ちさせる最大のキーパーソン。それは他ならぬあなたです!
しっかり定期チェックして、寿命を延ばしてあげてくださいね。
このコラムが少しでもその手助けになりましたら、嬉しく思います。

素材・写真提供
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