賃貸物件オーナー様必見!大規模修繕工事における3つの目的と優先順位の決め方

  • 兵庫県の塗装職人 会社名:JPM 神戸店
    山岡 鉄也
    所在地:兵庫県神戸市西区北別府5丁目15-8
賃貸物件オーナー様必見!大規模修繕工事における3つの目的と優先順位の決め方

賃貸物件のオーナー様は、長期的な資産運用の為にアパートやマンションを購入された、もしくは親世代から引き継がれた等だと思います。
しかし、いわゆるアパート経営は、家賃収入でプラスになるだけでなく、入居率を上げる為の努力や退去後の補修工事、不具合が起きた時の工事等、出ていく費用が多く発生するのも事実です。

大規模修繕工事を多く施工させて頂いている中で感じるのは、ご予算をしっかりとご用意出来ている場合と、ギリギリで運用されてあり予算もあまりご用意出来ていない場合と、ご事情も様々です。
そこで、今回は大規模修繕工事の目的や現状を考えた優先順位についてご紹介していきたいと思います。

大規模修繕工事3つの目的と内容

初めての大規模修繕工事の場合、「予算もあるし、どこからどこまで工事をすれば良いの?」と悩まれると思います。
そんな時は、目的や工事内容で大きく3つに分ける事が出来ますのでそこから考えていく事をお勧めします。
3つの目的と工事内容についてですが下記内容に分けていく事が出来ます。

(1)建物の維持管理責任

賃貸物件の所有者様には建物の維持管理責任が発生します。
大きく分けると維持管理責任は2つあります。
1つは共用部を美しく保つ為の清掃や、共用部の設備(電球)や給排水設備の洗浄等、専有部分にある設備(給湯器やコンロ等)の修繕義務等の入居者が快適に過ごせる目的の日常の維持管理です。
もう1つは建物そのものの劣化や不具合が事故に繋がらないようにする目的の安全の為の維持管理です。

ここでは、大規模修繕工事がテーマですので、建物そのものの劣化や不具合が事故に繋がらないようにする目的の維持管理について具体的な例を挙げましょう。

【安全の為の維持管理】
外壁が劣化すると、落下事故を起こす事があります。
落下物で人にケガをさせたり、車等を破損した場合は物件の所有者の責任になります。
過去には死亡事故の例もありますので、特に注意しておく必要があります。

 

危険な状態の外壁
【2次被害事故防止の維持管理】
屋上の防水機能が劣化すると雨漏りを起こします。
雨漏りで入居者の持ち物に損害が及んだ場合は所有者の責任になります。
被害にあう物は、買い替えれば大丈夫という物ばかりではありません。

屋外防水工場

 

(2)建物の寿命を延ばし、資産価値を維持する

どんな建物も必ず劣化していきます。その劣化に対して行う工事が下記内容になります。

【建物の寿命を延ばす】
コンクリートや鉄部等の経年劣化による躯体の強度や保護機能を回復させる。

【塗料の目的と美観の回復】
塗料(塗膜)の経年劣化により、塗料の目的である、建物を保護し、美しく保ち、目的と要望に応じた特殊機能が失われてしまいます。
塗料の本来の目的を回復させると同時に、美観を向上させていく事が出来ます。

外壁塗装工事
【資産価値の維持】
建物の価値は、固定資産税だけを見ると年数と共に下がっていきますが、大規模修繕工事を入れる事によって、入居者にとっては綺麗で長く安心して住める状態に出来、所有者にとっては資産運用していくうえでの建物の財産としての価値を維持する事が出来ます。

(3)入居率を上げる為の住環境の向上

昨今の設備や防犯システム等の進化はとても早く、現状の新築や築浅物件に比べると標準的な設備に対応出来ていない事があります。
入居率を上げる為、又は維持していく為にはリフォームを入れていく必要があります。
個々の室内に関しては退去時に対応していく事が可能です。

大規模修繕工事では、共用部の廊下やエントランス等の美しさや快適さを保つ為の工事行い、物件見学者の第一印象を良くしていき入居率を上げていきます。

廊下塗装工事

工事の優先順位の決め方

ここまでご説明していくと、なんとなく大事な順番は見えてきたかと思います。
次に予算や状況に合わせての優先順位を決めていく考え方をご紹介していきましょう。

大規模修繕工事の内容をざっくりと分けていくと以下のように分ける事が出来ます。

A:足場が必要な維持管理工事(外壁の修繕・外壁塗装・ベランダ防水など)
B-1:足場が不要な維持管理工事(共用廊下の鉄部塗装・屋上防水など)
B-2:足場が不要な美観性を向上する工事(共用廊下や階段床の長尺塩ビシート張り・EV扉の化粧塩ビシート張りなど)

この中から予算や目的に応じて組み合わせていく事が出来ます。

まず一番大事な事は(1)の建物の維持管理責任を果たしておく事です。
詳しくは別の機会にご説明しますが、建物が新築されてから、又は外壁の改修工事から10年経過をすると、外壁の全面打診検査をする事が法律で定められています。(※3年以内に外壁の改修工事予定を除く)分かりやすく言うと、外壁材が落下するような危険な状態になっていないのかの検査です。

外壁の状態を確認する為の定められた打診検査以外では、目視や赤外線調査でも行う事が出来ますので、まずは安全の確保に努めましょう。

次に考える事は、予算の中での優先順位です。
(2)の工事を行うとなると、足場を掛けて、本格的な工事に入りますので、当然ですが費用はかかってきます。
環境や使用している素材の状況にもよりますが、一般的に大規模修繕工事は10~12年周期に行う事が望ましいです。

今は予算が少なく、入居率が悪い、もしくは落ちてきているようなら(2)の工事よりも(3)の工事を先に行っておく方が良いでしょう。

工事の優先順位の決め方

さいごに

なんとなくでも、優先順位を掴んで頂けたでしょうか?
しかし、自己判断をするには、とても難しい事だと思いますので、まずは集合住宅の大規模修繕工事が経験豊富な塗装店にご相談される事をお勧めします。